・ わが国は、経済成長の中で一人当たりの国民所得を向上させてきた。しかし、近年の景気低迷と雇用の不安定性、さらには高齢者の増加も加わり、生活保護受給者が戦後最大だった昭和25年を上回る200万人の水準になってきている。
・ 社会保障制度の基本的な考え方は、まず国民一人ひとりが自らの責任と努力で生活する「自助」が基本であるが、個人の責任や自らの努力だけでは解決できないリスクに対応するために、「共助」のシステムとして雇用保険や皆年金制度等の社会保険制度がある。自助、共助によってもなお対応できない場合に、生活保護による「公助」が最後のセーフティネットとして機能する。その意味では、安易な生活保護の支給は、逆に受給者の能力を生かし尊重することにならないのであって、働くことを支援するための就労支援制度をまず機能させねばならない。
・ 超高齢化社会への対処が求められる中で、社会保障制度を政争の具にすることなく、社会保障制度に対する国民の信頼を回復することが極めて重要である。
・ また、老人だけでなく次代を担う子供への支援を充実し、少子化の流れを反転させなければならない。
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